Description of a work (作品の解説)
2011/10/06掲載
Work figure (作品図)
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キューピッドの祭壇で祈る少女

 1767年
(Jeune fille qui fait sa prière au pied de l'autel de l'Amour)
145.5×113cm | 油彩・画布 | ウォーレス・コレクション

ロココ美術時代と新古典主義時代の狭間に生きた、18世紀フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズの傑作『キューピッドの祭壇で祈る少女』。1767年に制作され2年後のサロンへ出品された本作は、グールズが最も数多く手がけた≪少女像≫と古代的モティーフを組み合わせた古典主題作品で、しばしば風俗画家ではなく歴史画家としての成功を熱望していた画家の野心的表現の成長が指摘される。画面中央には、恍惚的(放心的)な表情を浮かべながら一心に愛の神エロス(ローマ神話におけるアモル・キューピッドと同一視される)の像に祈りを捧げるあどけない少女が配されており、その喜びと陶酔に満ちた表情や少女の身に着ける肌が薄く透き通る衣服の豊かな描写は観る者を強く惹きつけ、さらに薄暗く鬱蒼とした背景の森林が彼女とキューピッド像の関係性を強調することに成功している。そしてレリーフが施された祭壇の下には番の鳥や色彩豊かな薔薇、黄金の水差しなどが配されており、少女とキューピッド像の対角的均整が保たれている。キューピッド像は同時代の彫刻からの引用が、少女の身に着ける衣服や祭壇、水差しなどには古代ギリシアからの着想が認められており、主題に対するグルーズの深い考察と研究を見出すことができる。公開時、サロンでは狭すぎる奥行きや無理に歪む背景など空間構成的な矛盾や、少女の演劇的な描写に批判が集中したものの、その後、ショワズール公爵が同氏の寝室(青孔雀の間)のために購入している。


【全体図】
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恍惚の表情を浮かべるあどけない少女。本作はグールズが最も数多く手がけた≪少女像≫と古代的モティーフを組み合わせた古典主題作品で、しばしば風俗画家ではなく歴史画家としての成功を熱望していた画家の野心的表現の成長が指摘される。



【恍惚の表情を浮かべる少女】
少女に黄金の冠を授けるキューピッド像。少女の喜びと陶酔に満ちた表情や少女の身に着ける肌が薄く透き通る衣服の豊かな描写は観る者を強く惹きつけ、さらに薄暗く鬱蒼とした背景の森林が彼女とキューピッド像の関係性を強調することに成功している。



【黄金の冠を授けるキューピッド像】
極端な狭さを感じる奥行き。公開時、サロンでは狭すぎる奥行きや無理に歪む背景など空間構成的な矛盾や、少女の演劇的な描写に批判が集中した。



【極端な狭さを感じる奥行き】

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