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作品イメージ
homeページCollection常設展示マニエリスムブロンズィーノ (Bronzino)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2005/08/02掲載
【全体図】
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愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)
(Allegoria di Amore) 1540-1545年頃
146×116cm | 油彩・板 | ロンドン・ナショナル・ギャラリー

描かれる寓意の解釈が極めて難解で、これまで幾度も論争が繰り返される、マニエリスム期を代表する画家ブロンズィーノ随一の代表作『愛の勝利の寓意(愛のアレゴリー)』。ヴィーナスの勝利(Trionfo Venere)とも呼ばれる本作の主題は、愛と美の女神≪ヴィーナス≫であるが、複雑に配される人物の解釈によってその内容が異なるミステリアスな作品である。しかしブロンズィーノ独特の冷艶でありながら、不安定な登場人物の官能性が見事に表現されており、数多くの者を魅了してきた。画面中央には美と愛の女神である天上のヴィーナスと、その息子で愛の神エロス(キューピッド)の全身像が描かれている。この口づけを交わすヴィーナスとキューピッドが見せる冷艶な表情と、不気味な程にエロティックな白い肌の表現は、ブロンズィーノの際立った個性のひとつである。一方、画面右上には右肩の上に砂時計を乗せていることから、時司の寓意とされる鮮やかな青布を広げる≪時の翁≫が配されており、≪真理≫と共に青布を広げる≪時の翁≫は、本作の真意をまざまざと暴き示す存在として描かれている。右方を見つめる力強い眼差しと、筋骨隆々に描かれる身体の表現は、画家の極めて卓越した技量の表れでもある。また画面右下部、ヴィーナスの足元には≪偽り≫の寓意とされる二つの仮面が描かれており、この美と愛の女神である天上のヴィーナスと、快楽を示す男児の足元に置かれた二つの仮面は、愛と快楽に潜む≪偽り≫を示すとされている。


【天上のヴィーナスと愛の神エロス】
美と愛の女神である天上のヴィーナスと、その息子で愛の神エロス(キューピッド)。口づけを交わすヴィーナスとキューピッドが見せる冷艶な表情と、不気味な程にエロティックな白い肌の表現は、ブロンズィーノの際立った個性のひとつである。

【鮮やかな青布を広げる≪時の翁≫】
右肩の上に砂時計を乗せていることから、時司の寓意とされる鮮やかな青布を広げる≪時の翁≫。≪真理≫と共に青布を広げる≪時の翁≫は、本作の真意をまざまざと暴き示す存在として描かれている。右方を見つめる力強い眼差しと、筋骨隆々に描かれる身体の表現は、画家の極めて卓越した技量の表れ。

【全ての理を示す≪真理≫】
理(ことわり)を示し、この作品でおこなわれる全ての行動を、白日のもとに晒す≪真理≫。この≪真理≫を示すとされる女性はこれまでに様々な解釈と説が唱えられており、代表的な別の説では≪欺瞞≫や≪忘却≫の寓意としている。

【≪快楽≫の寓意とされる薔薇の男児】
≪快楽≫の寓意として解釈される薔薇を持つ男児。薔薇はヴィーナスのアトリビュート(代表的な持ち物)であり、ここでは愛欲を意味しているとされることから≪快楽≫の寓意として解釈された。また別の説では、この男児を≪愚行≫の寓意としている。

【≪欺瞞≫の寓意とされる少女】
≪欺瞞≫の寓意とされる、怪しげな表情の少女。この軽蔑に満ちた少女の表情から≪欺瞞≫を示すとされている。また別の説では、美と愛の女神ヴィーナスと愛の神エロス(キューピッド)を背後から黙視する姿から、≪快楽(愛欲)≫の寓意としている。

【嫉妬の寓意とされる老女】
ヴィーナスとエロス(キューピッド)のおこないに、頭を抱え、絶句する≪嫉妬≫の寓意。恋に破れ狂ったかのような形相で眼を見開き、絶句する姿から≪嫉妬≫の寓意と解釈された。

【≪偽り≫の寓意とされる仮面】
≪偽り≫の寓意とされる二つの仮面。美と愛の女神である天上のヴィーナスと、快楽を示す男児の足元に置かれた二つの仮面は、愛と快楽に潜む≪偽り≫を示すとされている。

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