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homeページCollection常設展示古典主義ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (Georges de La Tour)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2007/12/04掲載
【全体図】
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悔悛する聖ヒエロニムス(光臨のある聖ヒエロニムス)
(Saint Jérome pénitent (à l'auréole)) 17世紀前半と推測
157×100cm | 油彩・画布 | グルノーブル美術館

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの代表的な単体聖人画作品のひとつ『悔悛する聖ヒエロニムス(光臨のある聖ヒエロニムス)』。現在真作と確認されている全作品中、唯一光臨の描かれる作品である本作に描かれるのは、4世紀に活動をおこなったラテン教会四大博士のひとりで、ローマで神道を学んだ後19歳で洗礼を受け、シリアの砂漠で数年間隠修生活をおくり数々の誘惑に打ち勝ったほか、聖パウラを弟子にしウルガタ聖書の翻訳(教会公認ラテン語訳の聖書となった)をおこなった逸話や、シリアの砂漠で数年間隠修生活をおくり数々の誘惑に打ち勝った逸話などでも知られている聖人≪聖ヒエロニムス≫が、聖書よりも古代ローマの政治家兼哲学者(文筆者)マルクス・トゥッリウス・キケロの著書を始めとした古代文学に心を惹かれた罰として、天使に鞭を打たれ、悔悛する姿である。本来の教義を的確に表すならば天使の姿も当然描かれるのであるが、本作には天使(が鞭打つ姿)を描かず、自ら鞭打つ姿を描くことによって聖ヒエロニムスの精神的な悔悛と聖人の確固たる意思をより強調したのだと考えられている。またラ・トゥール独特の秀逸な自然主義的写実描写が際立つ本作は、かつてはフセペ・デ・リベーラ(ホセ・デ・リベラ)などスペインの画家によって制作されたと考えられていたが、近年の調査・再研究によって画家の帰属と断定され、現在では画家屈指の代表作として広く認められている。洞窟を思わせる硬質的な舞台の中で、強烈な光に照らされ浮かび上がる聖ヒエロニムスの、深く刻まれた皺や肌の弛み、痩せ衰えた肉体は人間的な老いを如実に感じさせる。しかし(聖人を含む)画面全体から伝わる静謐な雰囲気や静寂感は、聖ヒエロニムスの聖性や戒め的な姿をより浮き上がらせている。なお本作より少し後に制作されたと推測されている、光臨に換えて(聖人の重要なアトリビュートのひとつである)朱色の枢機卿の帽子が描かれた同主題・同構図の作品『悔悛する聖ヒエロニムス(枢機卿の帽子のある聖ヒエロニムス)』がストックホルム国立美術館に所蔵されている。

関連:『枢機卿の帽子のある聖ヒエロニムス』


【自ら鞭打つ聖ヒエロニムスの姿】
自ら鞭打つ聖ヒエロニムスの姿。現在真作と確認されている全作品中、唯一光臨の描かれる作品である本作に描かれるのは、聖人≪聖ヒエロニムス≫が、聖書よりも古代ローマの政治家兼哲学者(文筆者)キケロの著書を始めとした古代文学に心を惹かれた罰として、天使に鞭を打たれ、悔悛する姿である。

【聖人の左手に握られた木製の十字架】
聖ヒエロニムスの左手に握られた木製の十字架。本来の教義を的確に表すならば天使の姿も当然描かれるのであるが、本作には天使(が鞭打つ姿)を描かず、自ら鞭打つ姿を描くことによって聖ヒエロニムスの精神的な悔悛と聖人の確固たる意思をより強調したのだと考えられている。

【画中で鮮やかに映える朱色の腰布】
画面の中で鮮やかに映える朱色の腰布。ラ・トゥール独特の秀逸な自然主義的写実描写が際立つ本作は、かつてはフセペ・デ・リベーラなどスペインの画家によって制作されたと考えられていたが、近年の調査・再研究によって画家の帰属と断定され、現在では画家屈指の代表作として広く認められている。

【聖人の足元で開かれる聖書】
聖人の足元で開かれる聖書。洞窟を思わせる硬質的な舞台の中で、強烈な光に照らされ浮かび上がる聖人の、深く刻まれた皺や肌の弛み、痩せ衰えた肉体は人間的な老いを如実に感じさせが、画面全体から伝わる静謐な雰囲気や静寂感は、聖ヒエロニムスの聖性や戒め的な姿をより浮き上がらせている。

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