Description of a work (作品の解説)
2006/12/03掲載
Work figure (作品図)
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娼婦(取り持ち女)

 (Koppelaarster) 1656年
143×130cm | 油彩・画布 | ドレスデン国立美術館

17世紀オランダ絵画黄金期において最も傑出した画家のひとりヨハネス・フェルメールの重要な基準作のひとつ『娼婦(取り持ち女)』。本作は現存する画家の全作品の内、署名が残される3作品の中のひとつで、1656年と最も初期に手がけられたものである。本作に描かれるのはおそらく宿屋で客を取る娼婦と、買う男達であるが、新約聖書の≪放蕩息子≫中の一場面で、父の下を去り宿屋で娼婦との遊びに興じる息子(弟)との関連性や連想性を多くの研究者が指摘している。とは言え、宗教画にしては極めて世俗的で、むしろ同時代の風俗画に近い場面表現が用いられていることから、画家が宗教画(物語画)から風俗画へと作風を転換させた時期の基準的な作品と見なされている。場面の中で娼婦を後ろから抱く男の左手は、娼婦の乳房を掴み、右手では金貨を渡そうとしている。また娼婦も右手で金貨を受け取る仕草を見せるほか、左手ではワイングラスを手にしている。フェルメール独特の静謐な空間構成や繊細な光の表現は本作ではまだ本領を発揮するには至っていないものの、このような人物が見せる瞬間の動作や表情を捉えた表現は、当時23歳であった若きフェルメールの高い描写技術を示すものである。なお根拠はないものの伝統的に画面中、左端でこちらを向いている男がフェルメールの自画像とされている。


【全体図】
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宿屋で客を取る娼婦。本作は現存する画家の全作品の内、署名が残される3作品の中のひとつで、宿屋で客を取る娼婦と買う男達を描いたものであるが、新約聖書の≪放蕩息子≫中の一場面で、父の下を去り宿屋で娼婦との遊びに興じる息子(弟)との関連性や連想性を多くの研究者が指摘している。



【宿屋で客を取る娼婦】
画面の中央でおこなわれる金貨の受け渡し。宗教画にしては極めて世俗的で、むしろ同時代の風俗画に近い場面表現が用いられていることから、画家が宗教画(物語画)から風俗画へと作風を転換させた時期の基準的な作品と見なされている。



【受け渡される金貨】
根拠はないが、伝統的にフェルメールの自画像とされる男。フェルメール独特の静謐な空間構成や繊細な光の表現は本作ではまだ本領を発揮するには至っていないものの、このような人物が見せる瞬間の動作や表情を捉えた表現は、当時23歳であった若きフェルメールの高い描写技術を示すものである。



【フェルメールの自画像とされる男】

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