Description of a work (作品の解説)
2007/01/12掲載
Work figure (作品図)
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青衣の女

 (Dame in blauw jak) 1662-1665年頃
46.5×39cm | 油彩・画布 | アムステルダム国立美術館

オランダを代表する風俗画家フェルメールが手がけた単身女性像作品のひとつ『青衣の女』。本作は1660年代前半に複数枚描いた単身女性像作品群の中の一枚で、数年前に描かれた画家の代表作『窓辺で手紙を読む女』とかなり類似した構図や場面構成であるが、『窓辺で手紙を読む女』と比較し、人物やその行為への注目がより明確となっている為、画面構成要素はより簡素となり、本作にはフェルメール作品の大きな特徴である(通常左側に描かれる)窓の描写すら見られない。本場面は登場人物である青衣の女と、女が手にする手紙、壁に掛けられた世界地図、二脚の椅子、机とその上に乗る木箱や書籍や(おそらくは首飾りであろう)真珠と、極めてシンプルな構成であるが、そこに射し込む柔らかく明瞭な光は、各構成要素の素材感すらあまり感じさせない、包み込むかのような自然的で調和に満ちた描写によって表現されている。また1650年代後半で多用された光の粒とも言える点描での表現手法を影を潜めていることや、色彩数を抑え(本作はほぼ青、黄、茶の三色によって表現されている)、明度、彩度の変化によって多様な変化と深みをもたせていることなども、画家の様式の変化を示す点として注目したい。本作の解釈については諸説述べられているも、壁に掛けられた世界地図は手紙の送り主が現在は外海にいることを暗示しているほか、妊娠しているとも推測される手紙を読む青衣の女に関して、一部の研究者からはフェルメールの妻カタリーナをモデルにしたとも考えられている。


【全体図】
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手紙を読む青衣の女。本作は1660年代前半に複数枚描いた単身女性像作品群の中の一枚で、類似点が指摘される『窓辺で手紙を読む女』と比較し、人物やその行為への注目がより明確となっている為、画面構成要素はより簡素となり、本作にはフェルメール作品の大きな特徴である窓の描写すら見られない。



【手紙を読む青衣の女】
女が手にする手紙。本場面は登場人物である青衣の女と、女が手にする手紙、壁に掛けられた世界地図、二脚の椅子、机とその上に乗る木箱や書籍や真珠と、極めてシンプルな構成であるが、そこに射し込む柔らかく明瞭な光は、各構成要素の素材感すらあまり感じさせない、包み込むかのような自然的で調和に満ちた描写によって表現されている。



【女が手にする手紙】
部屋内へ射し込む柔らかく明瞭な光。1650年代後半で多用された光の粒とも言える点描での表現手法を影を潜めていることや、色彩数を抑え(本作はほぼ青、黄、茶の三色によって表現されている)、明度、彩度の変化によって多様な変化と深みをもたせていることなども、画家の様式の変化を示す点である。



【部屋内へ射し込む柔らかく明瞭な光】

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