Description of a work (作品の解説)
2005/09/27掲載
Work figure (作品図)
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ウルカヌスの鍛冶場

 (Fragua de Vulaco) 1630年頃
223×290cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド)

ベラスケスの古典主義の研究と、秩序に基づく空間構成の特徴がよく示される代表的な作例のひとつである『ウルカヌスの鍛冶場』。1629年から1631年までの第一期イタリア滞在中に描かれたとされる本作の主題は、火と鍛冶の神で、ウェヌス(ヴィーナス)の夫でもあるウルカヌスの代表的な神話≪ウルカヌスの鍛冶場≫を描いたもので、ベラスケスらしい写実描写性の中にも、イタリアで学んだ視覚効果を重要視した明暗法や、古典主義の研究に基づく画面構成によって、神話画というより、むしろ風俗画に近い表現をおこなっているのが大きな特徴である。


【全体図】
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ウルカヌスの鍛冶場に出現した太陽神アポロ。本作の解釈は諸説あるが、現在は、ウルカヌスの妻ウェヌス(ヴィーナス)と軍神マルスの密通をアポロが暴露している場面とされ、神話の非神性を描いたものであるとの解釈が有力視されている。



【ウルカヌスの鍛冶場に出現したアポロ】
アポロの出現と暴露に驚く鍛冶職人。神々しいアポロの表現とは対照的に、ウルカヌスを始めとする鍛冶職人たちは、古典主義の研究に基づく画面構成によって、神話画というより、むしろ風俗画に近い表現をおこなっているのが大きな特徴である。



【アポロの出現と暴露に驚く鍛冶職人】
視覚効果を重要視したスペイン明暗法によって写実的に描かれる甲冑。1629年から1631年までの第一期イタリアのローマ滞在中の古典主義の研究は、画家のみならず、その後のスペイン絵画においても、多大な影響を与えることになった。



【写実的に描かれる甲冑】

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