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homeページCollection常設展示バロック美術
Introduction of an artist(アーティスト紹介)

グイド・カニャッチ Guido Cagnacci
1601-1663 | イタリア | バロック

17世紀イタリアやウィーンで活躍した画家。カラヴァッジェスキ派やグイド・レーニなどを始めとした当時のボローニャ派らの古典主義的傾向を、伝統的な構図と組み合わせ大胆で劇的な独自の様式を確立。画業の後期には柔らかで明瞭な色彩による官能的な裸婦像を数多く手がけた。エミリア地方サンタンカンジェロ・ディ・ロマーニャに生まれたと推測され、同地の画家コレッジョの様式やカラヴァッジェスキ派、ボローニャ派の影響を強く受けながら主に宗教画を手がけるも、1645年頃から世俗的な主題へと好みが変化する。1650年にヴェネツィアへ旅行、同地の明瞭で豊かな色彩に感銘を受け、自身の様式に取り入れるほか、画家を代表するモティーフである半裸婦像を手がけ始め、国際的な評価を得る。晩年の1658年頃に皇帝レオポルト1世の招聘により宮廷画家としてウィーンに滞在、同地で代表作『瀕死のクレオパトラ(クレオパトラの自殺)』などを制作。


Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説)
【全体図】
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フラスコの花 (Fiori in una fiasca) 1645年頃
不明 | 油彩・画布 | フォルリ市立美術館

17世紀の画家グイド・カニャッチが手がけたイタリア静物画の傑作『フラスコの花』。制作の詳しい目的や意図は不明であるが、その詩情性の高い表現により17世紀イタリアを代表する静物画として各時代で賞賛された本作は、半壊したフラスコと、そこに入る花々を描いた作品で、カニャッチの高度な描画手法と静物画に対する深い思想的表現が示されている。本作に描かれる花々は背後の暗中と対照的に光と豊かな色彩によって劇的な印象を観る者に与えており、上部へ手を伸ばすかのような花々の様は、差し口が割れ、巻きつく藁が解れかかっているフラスコから脱出を図るかのように生命力に満ちている。このように、静物画へ捕らわれる身でありながら脱出を図るという詩情性を持ち込み画面内へ表現することで、観る者は本作に対し深い思想的な印象を抱くのである。また解れる藁の極めて高度な写実的描写や光の表現、劇的でありながらも画面全体に広がる静謐な雰囲気の表現は、画家の優れた力量を示すものである。

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【全体図】
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瀕死のクレオパトラ(クレオパトラの自殺) 1658年
(La morte di Cleopatra (Selbstmord der Kleopatra))
153×168.5cm | 油彩・画布 | ウィーン美術史美術館

17世紀の画家グイド・カニャッチ随一の傑作『瀕死のクレオパトラ(クレオパトラの自殺)』。画家が皇帝レオポルト1世の招きで訪れたウィーン滞在の頃(又はヴェネツィア時代末期)に手がけられたと推測される本作に描かれるのは、アクティウムの海戦でローマ軍に敗北し、同軍に屈することを拒んだ古代エジプトのプトレマイオス朝最後の女王クレオパトラが、毒蛇(コブラ)に自身の身体の一部(乳房)を噛ませ自害したと伝えられる逸話≪瀕死のクレオパトラ(クレオパトラの自殺)≫で、画家後期を代表するモティーフである半裸婦像を描いた最も著名な作品としても知られている。右腕に毒蛇が噛み付かせ、玉座に鎮座するクレオパトラは毒によって身体の力が抜けたような様は、観る者に死の予感を抱かさせずにはいられない。またクレオパトラの周囲には女中らが女王の自害に驚きを悲しみの仕草をみせている。本作の深い陰影による劇的で写実的な場面表現はカラヴァッジェスキ派からの、柔らかい光の表現は巨匠コレッジョからの、豊かな色彩はヴェネツィア派の影響を感じさせるも、画面全体を包み込んでいる静謐な雰囲気や官能性に溢れた半裸身の表現に様々な時代で得た様式美の融合を感じさせる。なお本作は皇帝レオポルト1世の叔父レオポルト・ヴィルヘルム大公のコレクションのひとつであるが、ミラノのブレラ美術館にも同主題の作品が所蔵されている。

関連:ブレラ美術館版 『瀕死のクレオパトラ』

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